ピアノと暮らす

6.食後に一曲 / 練習について
 
わたしは、食後のお茶を「今日はどれにしよう?」と考えて
用意するのが好きですが、
それどころではない日もありますし、
「食後は毎日飲まなければならない」なんて決まりがもしあったら、
お茶の楽しさも美味しさも、半減してしまうと思います。

ピアノも、弾きたいから弾くのがいいです。
弾きたくて弾いているときに、ピアノは上達します。
練習するしないから自由になって、気持ちの向くときに、
食後に1曲、とか、朝起きて1曲、弾くといいと思います。

小さいお子さんの場合は
弾きたくなるような雰囲気をつくってあげたり、
良い聴き手になって、ほめてあげてください。
毎日じぶんから率先して練習するという小さいお子さんは、まずいません。
でも、上手に誘導してもらって弾き始め、おもしろいと思うと、
今度は何度でもやりたいと思うものです。
そのあたりを上手に利用しながら、毎日の生活の中に
ピアノが染みこんでくるといいですね。

そして、ピアノで表現するおもしろさにはまってしまうと
練習はとても楽しいものであることも、付け加えておきます。
練習は仕込みと同じ、とおっしゃったのは井上直幸先生ですが、
本当にそうで、さっさとすませて終わりにするのではなく、
それ自体がとても、おもしろいことなのですね。

「料理を作る人だったら、(中略)いろいろな「仕込み」というものが
あるでしょう。味付けをして、できあがったものをお皿にのせて、
きれいに盛りつけをする。
こういうことがみんな、つまらないことでしょうか? 
そういう手間のかかる細かい仕事自体が、面白いのではないですか?
(中略)仕込みの作業自体が、もうすでに、創造になっているわけです。」
春秋社「ピアノ奏法」井上直幸


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